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構造と役割

自動でピント合わせができる優れものの“眼”の仕組み

人間の目とカメラは、その構造が非常によく似ています。
ところで、“め”を漢字で書くと「目」と「眼」になりますが、その意味の違いがわかりますか?

目の構造カメラには、ボディとフィルター、レンズ、しぼり、フィルムがあり、それらが一体となり「カメラ」と呼びます。わたしたちの「目」はカメラ全体を意味し、「眼」はフィルターからフィルムまでの部分々を意味して使い分けられています。

目は一番外側の部分から「強膜」「角膜」「水晶体」「虹彩」「網膜」となっています。
「強膜(白目)」はカメラのボディ、「角膜(黒目)」はフィルター、「水晶体」はレンズ、「虹彩(こうさい)」はしぼり、「網膜」はフィルムにあたります。

ものを“見る”ためには、外からの光が角膜、水晶体を通過し、網膜で集まられた光の情報を電気信号に変えて、視神経から脳へと伝わることで、はじめて映像として“見る”ことができます。

最近のカメラは自動でピントを合わせることができますが、人間の目では、「毛様体(もうようたい)」と呼ばれる筋肉が緊張・弛緩することで水晶体の厚さを変えて、ピント調整をしています。遠くの物を見るときには水晶体が薄くなり、近くの物を見るときには水晶体が厚くなります。

眼(眼球)は非常にデリケートで、その眼球を保護するためにあるのが「眼瞼(がんけん)」「結膜」「睫毛」「涙腺」です。
「眼瞼」は眼球を保護して涙液膜を作り、「涙腺」で作られた涙液を涙のうに送りこみます。「睫毛」は異物が入るのを防ぎ、「結膜」は眼球が露出している部分を保護し、眼球が運動しやすいようにしています。

結膜と角膜・胸膜

眼球運動をなめらかにする結膜と光をシャットアウトする強膜。

馴染みのある眼の病気に「結膜炎」があります。
「結膜」とは、瞼の内側と強膜(白目)の前面を覆っている薄い膜で、眼球と瞼をむすぶ組織のことです。

結膜は、まぶたの裏を覆いまぶたをしっかりとくっつける働きをしている「瞼結膜(けんけつまく)」と、瞼結膜と球結膜の間にあり、眼球とまぶたの運動をしやくすしている「円蓋部結膜(えんがいぶけつまく)」、白目にあたる部分で強膜の上を覆い、たくさんのシワを作って眼球の運動をしやすくしている「球結膜(きゅうけつまく)の3つに分かれています。結膜炎の炎症が強くなると、この球結膜が充血します。

眼球の一番外側にあるのが黒目と呼ばれる「角膜」で、皮膚でいえば「皮脂膜」にあたります。
外からの光を屈折させて水晶体に送り込む、レンズの働きをします。角膜には血管がないため、周囲の血管網と前房水と涙によって栄養をとっています。
角膜には「冷覚」と「痛覚」しかありませんが、温度は表面を潤す涙の蒸発のため少し低めです。

「強膜」は、いわゆる白目と呼ばれる部分で、乳白色で強くて硬いことからその名がつけられています。前の方が角膜とつながっていて、その下に黒褐色の「脈絡膜」があります。

幼い頃は、この強膜が薄いので内側のぶどう膜が透けて見えるために、白目のところがやや青く見えますが、年を重ねるとともに、膜の繊維が硬くなり脂肪がついてくることで黄色がかって濁ってきます。
血管が少なくほとんど光を通さないため、眼球内へ不必要な光が入るのを防ぐ働きをしています。眼の中では比較的病気になりにくい組織ですが、外傷などでこの膜が破れると、眼球の中身が出てしまい致命傷となります。

瞳と水晶体

光の量を調整する瞳と、重要な2つの働きをする水晶体。

瞳は「瞳孔(どうこう)」とも呼ばれ、角膜の後ろ2~3mmのところにあり、小さな丸い穴で光の入り口になります。カメラのしぼりの働きをし、常に一定の量の光を取り込もうとして、微妙に調整しています。

瞳は明るいところでは小さくなり、夜や暗い部屋などでは大きくなります。近くのものを見る時には、縮小して像をはっきりさせます。
また、感動したり興奮すると瞳は大きくなり、眠っているときには強く縮小しています。

よく死亡を確認するときに目にライトをあてますが、これは「対光反応」を見ているからです。
目に光をあてると0.2秒後にすばやく縮瞳し、1秒間で最高になってその後に散瞳しますが、死亡するとこの反応がなくなります。

水晶体は、脳に電子信号を送る網膜に、その映像の基となる光の情報を映し出すレンズの働きと、目にとって有害な紫外線をシャットアウトする2つの重要な働きをしています。

構造は、外側から水晶体上皮、水晶体皮質、水晶体核からなっており、そのほとんどが水とたんぱく質でできています。
血管や神経はなく、角膜と水晶体の間にある房水という液から栄養をとり、いらなくなった老廃物を房水の中に戻します。
水晶体皮脂は、年齢とともに増えながら中央へ移動し、そこで圧縮されて、25歳頃からだんだんと硬くなり、淡黄色に着色され水晶体核となります。
ちなみに、赤ん坊には水晶体核はありません。

硝子体と網膜

99%の水でできている硝子体と、厚さ0.3~0.4mmの10層の膜からできている網膜。

硝子体(しょうしたい)は、無色透明で眼球内部の大部分を占めている物質です。卵白よりやや硬いゼリー状のもので99%が水でできています。
眼球の形を保つ働きと同時に、入ってくる光を屈折させる働きをしています。
水晶体の後ろの部分に接していて、一部が網膜とくっついていますが、軽く接している程度で非常にデリケートでもろくできています。

網膜は10層から構成されている非常に薄い膜で、一番厚い部分でもわずか0.3~0.4mmです。
10層の中の「視細胞」には2種類あり、1つはうす明りを感じる細胞で、もう1つは明るいところでよく感じ色を見分ける細胞です。
光は網膜の中の「視細胞」に届くと電気信号に変わることができ、「神経線維層」を通過して「神経」に伝わり、大脳の中枢に到達してはじめて映像として見ることができます。

「桿体」と「錐体」の働きよく明るいところから急に暗い所へいくと、はじめは何も見えないのに、少し時間がたつとだんだんと見えてくることがあります。
これは、網膜にある視細胞の「桿体」と「錐体」の働きによるものです。
暗いところでだんだんと目がなれてくることを「暗順応」といい30分から1時間かかりますが、暗いところからパッと明るいところへ出たときの「明順応」は40秒から1分と素早く反応をします。
桿体細胞に含まれるロドプシンと呼ばれる物質は、光があたるとビタミンAに変わりますが、このビタミンAが不足すると暗い所で見えにくくなる「夜盲症(とり目)」になります。

まぶたとまばたき

眼の保護からすれば二重より一重まぶたの方が優れている。

まぶたは、傷や乾燥・寒さなど、外からの刺激から眼球を守る大切な役目を果たしています。
昔は日本人のほとんどが一重まぶたでしたが、食生活が欧米化してたきたことが原因なのか、最近は二重まぶたの人が多くなりました。

二重まぶたは、まぶたの下の脂肪が少ないために、まぶたにたるみができて二重になります。
これと反対に、一重まぶたは、まぶたの下の脂肪が多いために、厚くてふっくらとしています。
最近では、一重まぶたの人が、二重まぶたに憧れて整形手術までする人がいますが、眼を保護するという目的から考えれば、脂肪の多い一重まぶたの方が優れているのです。

ところで、まばたきには4つの働きがあるのをご存知ですか?
まず、一番知られているのは、涙で潤し洗浄して角膜を守る働きでしょう。
次に、眼の運動の間に起こる“像ボケ”を緩和する働きがあります。
3番目に、房水の流れをよくし、眼圧の上昇を防ぎます。
最後に、涙を結膜のうから涙道へ上手に流し出す働きをしています。

また、まばたきには3つの種類があります。
ひとつ目は、日常、わたしたちが無意識で行っているまばたきです。幼い子で1分間に3~13回、大人で15回~20回と、年齢と共にまばたきの回数も多くなります。
2つ目は「反射性まばたき」で、防御反応の一種です。特に角膜が刺激されると瞬間的にまばたきをして、目に異物が入るのを防ぎます。
3つ目は「随意的まばたき」といい、“ウィンク”に代表される意識的にするまばたきです。

まゆ毛とまつ毛

長かったり短かったり個人差はあるものの、大切な働きをしているまゆ毛とまつ毛。

ゲジゲジまゆ毛に三日月まゆ毛、フサフサ生えている人もいれば、ショボショボと生えている人もいる「まゆ毛」。
まゆ毛は、額の汗や水を目の横に流して、汗などが直接目に入らないようにしています。

まゆ毛の生えている部分には、「皮脂線」と呼ばれる腺があり、ほどよく脂を出すことで、汗や水をはじいてくれます。
また、汗を出す「汗腺」がほとんどなく、汗が目に入らない仕組みになっています。
まゆ毛は、人によって差はありますが、左右で1,300本ぐらいあり、長さは7~10mmになると言われています。

では、「まつ毛」はどんな働きをしているのでしょうか?
長さは約10mmと言われていますが、これも個人差があり、長くてクルクルっとカールしている人もいれば、短くて下を向いている人もいます。
また、本数は上のまつ毛が100~150本、下のまつ毛が50~75本と言われています。

まつ毛も、まゆ毛と同じく眼を保護する働きをし、まつ毛の場合は、角膜や結膜をホコリから守っています。
では、どこでホコリを感じるかというと、まつ毛の毛根の周囲には知覚神経が集まっていて、ホコリがまつ毛に触れた瞬間に、自然にまぶたを閉じる仕組みになっています。

砂ホゴリの多い砂漠に住むラクダのまつ毛が長いことや、アトピー性皮膚炎や扁桃腺肥大の患者さんに長いまつ毛の子どもが多いのにも、何か関係しているのかも知れません。

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